更新:2015年04月01日/掲載:2012年09月03日
「渋沢敬三記念事業」は、実業や文化事業に大きな足跡を残した渋沢敬三(1896-1963)の人間像と業績を、総合的に検証・研究し、その成果を広く一般に提供することを目的として、敬三没後50年となる2013年に向けて、渋沢敬三記念事業実行委員会が行っている事業です。実行委員会は明治大学名誉教授で渋沢栄一記念財団理事の由井常彦を委員長とし、下記に挙げる10の組織・個人が参加しています。
渋沢敬三記念事業実行委員会およびその各事業は、一般財団法人MRAハウスから助成を受けています。
渋沢敬三記念事業・事業一覧
1.
渋沢敬三没後50年展示企画「復元 渋沢青淵翁記念室」に関する研究
- 事業主体
- 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国文学研究資料館
- URL
- http://www.nijl.ac.jp/
- 担当者
- 青木睦
- 事業目的
- 渋沢敬三が構想した日本実業史博物館(略称:実博)における「渋沢青淵翁記念室」資料のデータベース構築による成果を基に、渋沢史料館の収蔵史料との比較研究を実施し、「渋沢青淵翁記念室」の復元のための基盤整備を実施する。
- 事業概要
- 全体計画は、渋沢敬三記念事業としての展示企画のための研究を進め、展示資料の基盤整備のための事業を継続する。展示において、敬三氏寄贈史料群(祭魚洞文庫・大川家文書等)の調査成果も公開する。2013年度に展示・シンポジウムを開催する。
- イベント
- 企画展示「渋沢敬三からのメッセージ 渋沢栄一「青淵翁記念室」の復元×渋沢敬三の夢みた世界」
講演会「渋沢敬三からのメッセージ」展を語る
シンポジウム「渋沢敬三が夢みた世界 - 没後50年企画 -」
国文学研究資料館 企画展示「渋沢敬三からのメッセージ 渋沢栄一「青淵翁記念室」の復元×渋沢敬三の夢みた世界」(展示詳細 - 渋沢敬三アーカイブ)
国文学研究資料館・企画展示「渋沢敬三からのメッセージ」リーフレット公開
2.
敬三資料の整備と活用 : (1) 渋沢史料館所蔵 渋沢敬三関係資料の整理・目録化 / (2) 渋沢敬三展の開催
- 事業主体
- 公益財団法人 渋沢栄一記念財団 渋沢史料館
- URL
- http://www.shibusawa.or.jp/
- 担当者
- 井上潤
- 事業目的
- (1) 渋沢史料館にて所蔵する渋沢敬三関係資料の全体像を明らかにし、他機関にて所蔵されている資料情報とともに、今後の渋沢敬三研究に役立たせ、多岐にわたる敬三の事績を明らかなものとする一助とする。
(2) 渋沢敬三の人間像を展示に供し、敬三の事績・思想の普及をはかると同時に、さらなる敬三関係資料・情報の集積につなげることとする。 - 事業概要
- (1) 渋沢史料館が所蔵する敬三関係資料の活用が可能となるよう充分な保存措置を施すとともに、資料情報を集積し、利用者にとって利便性の高い目録の作成をめざす。
(2) (1)で集積された資料や情報の分析を通じて、渋沢敬三の人間像を明らかにする展覧会を開催する。 - イベント
- 渋沢敬三没後50年企画展「祭魚洞祭(さいぎょどうまつり)」
シンポジウム「比較研究 実業の継承者たち - 渋沢敬三・岩崎小彌太・藤山愛一郎」
上映会「祭魚洞・渋沢敬三の映像をみてみよう!」
企画展図録『祭魚洞祭 : 渋沢敬三没後50年企画展』
3.
「渋沢栄一伝記資料編纂」と「日本実業史博物館設立計画」の進行過程に於ける渋沢敬三と竜門社との相互関係の様相に関する調査
- 事業主体
- 大谷明史
- 担当者
- 大谷明史
- 事業目的
- 渋沢敬三に就いては、「政財界の要職者としての経歴」や「わが国の民族学確立への巨大な貢献」の他にも、浩瀚な『渋沢栄一伝記資料』編纂や「日本実業史博物館」設立計画の推進者として果した役割も見逃し得ない。この両企画は何れも昭和戦前期竜門社の事業として実施された。その進行過程を諸記録に基づき調査、考察する。
- 事業概要
- (1) 渋沢栄一死去と竜門社-曖依村荘の竜門社への遺贈、伝記資料計画
(2) 幸田成友主任・伝記資料編纂-渋沢敬三の助力(編纂面)(資金面)
(3) 土屋喬雄主任・伝記資料編纂-渋沢敬三企画・実践(人事面)(資金面)
(4) 日本実業史博物館計画-「一つの提案」、資料蒐集、設備計画の曲折、資金計画(渋沢敬三と青淵翁記念会)
(5) 昭和戦前期竜門社運営への渋沢敬三の寄与
4.
敬三関連情報へのアクセス向上 : (1) 渋沢敬三総合年譜の作成 / (2) 収集資料群の把握 / (3) 敬三紹介サイトの作成
- 事業主体
- 公益財団法人 渋沢栄一記念財団 実業史研究情報センター(現・情報資源センター)
- URL
- http://www.shibusawa.or.jp/
- 担当者
- 小出いずみ
- 事業目的
- (1) 多方面に渡って活動していた渋沢敬三の事績を統合的に見られるような詳細な年譜を作成し、後年の敬三研究にも役立つ参考資料を作ること。
(2) 各所に分散している渋沢敬三収集資料の情報を整理し後年の研究に役立つ情報源を作ること。
(3) 渋沢敬三を紹介するウェブサイトを作成し、基本的な情報および各所で行われる展覧会等に関する案内を掲載すること。 - 事業概要
- (1) 敬三の活動を跡付ける情報を網羅的に収集して集約し、典拠となる資料や関係情報を示して活動事項をデータベース化する。それを編纂して資料・典拠情報付きの年譜を作成、出版する。
(2) 敬三の収集にかかる資料群のうち情報がデジタル化されていない祭魚洞文庫について、所蔵者の流通経済大学図書館の協力を得て目録をデジタル化し、情報共有への道を開く。
(3) ウェブサイトを立ち上げ、一般向けに敬三について紹介するコンテンツを作成し、記念事業についてのポータルサイトとしても機能させる。 - サイト
- 渋沢敬三アーカイブ - 生涯、著作、資料 - 渋沢敬三記念事業 公式サイト
- イベント
- デジタル版『渋沢敬三著作集』閲覧システム(eReading)体験イベント
5.
「渋沢敬三没後50周年記念」を冠した特別企画展示の実施
- 事業主体
- 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立民族学博物館
- URL
- http://www.minpaku.ac.jp/
- 担当者
- 近藤雅樹
- 事業目的
- 財界人・実業家であり、民族学や民俗学、水産史研究など多岐にわたる学問の庇護者として活躍し、日本最初の野外博物館をはじめとする多数の博物館建設に寄与し、自ら民間の研究者としてアチック・ミューゼアムを主宰して研究に励んだ渋沢敬三の功績を回顧するとともに、顕彰するための特別展示を開催する。
- 事業概要
- 国立民族学博物館において、渋沢敬三の50周年となる命日(2013年10月25日)を中心に各種イベントを加味した特別展示を開催する。終了後、埼玉県立歴史と民俗の博物館に展示を巡回する。
- イベント
- 【国立民族学博物館】
特別展「渋沢敬三記念事業 屋根裏部屋の博物館 Attic Museum」
Shibusawa Keizo Memorial Project Attic Museum
特別展 渋沢敬三 屋根裏部屋の博物館 (Facebookページ)
特別展「屋根裏部屋の博物館」解説書
みんぱくゼミナール「屋根裏部屋博物館主人の横顔」
みんぱくウィークエンド・サロン「アチックミューゼアムの民具コレクション」
みんぱくウィークエンド・サロン「アイヌの工芸について」
友の会講演会「渋沢敬三の『民具』へのこだわり」
公開シンポジウム「渋沢敬三を語る―偉大なる学問の庇護者」
ワークショップ「ファンタジックコレクション 集まれ!なんでも収集家!」
【埼玉県立歴史と民俗の博物館】
特別展「渋沢敬三没後50周年記念事業 屋根裏部屋の博物館 ―Attic Museum―」
特別展「屋根裏部屋の博物館」を開催 県立歴史と民俗の博物館 (埼玉県ホームページ)
歴史と民俗の博物館特別展「屋根裏部屋の博物館」が開催されます(3月21日~) (埼玉県ホームページ)
埼玉県立歴史と民俗の博物館特別展「屋根裏部屋の博物館-Attic Museum-」関連事業
6.
渋沢敬三の「実業」「実学」思想の研究 : 概念の拡がりと研究援助・社会貢献の思想に焦点をあてて
- 事業主体
- 佐藤健二
- 担当者
- 佐藤健二
- 事業目的
- 民族学・民俗学への研究援助の精神について、アチックの刊行物等の分析を通じて、どのような拡がりがあるかを明らかにしつつ、
(1) 渋沢栄一の「実業」への取り組みとの連続や変容というコンテクスト、
(2) 学際的な共同研究の組織者としての側面、
(3) 資料集成の積極的な価値の主張と実現、
等々「知識人・渋沢敬三」をめぐる調査研究を行う。 - 事業概要
- 1) 日本の民俗学の歴史的展開のなかで渋沢敬三が果たした役割を、文献的・資料的に明らかにする。
2) とりわけ、石神調査以降の共同調査から、九学会の調査にいたる展開についての資料収集を進め、共同研究の可能性にいかなる貢献をしたか。
3) アチック・ミューゼアム(日本常民文化研究所)の研究や刊行物の内容・主題分析
4) 明治期以降の「実業」概念の拡がりと意味の偏りについての研究
その他:知識人渋沢敬三が提起した課題の継承をめぐる国際シンポジウムの開催 - イベント
- 国際シンポジウム「もうひとつの民間学 - 知識人・文化人としての渋沢敬三」
An International Symposium Commemorating Shibusawa Keizō "Another Face to Public Scholarship: Shibusawa Keizō as Intellectual and Cultural Figure"
7.
国際シンポジウム・仮称『渋沢敬三の資料学』準備及び開催
- 事業主体
- 神奈川大学 日本常民文化研究所
- URL
- http://jominken.kanagawa-u.ac.jp/
- 担当者
- 佐野賢治
- 事業目的
- 渋沢敬三の学問研究における資料の重要性を、文字資料(内浦漁民史料)から非文字資料(絵巻物・民具・写真・映像など)まで、その調査研究体制、収集から整理法、博物館論まで総合的に検証し、最終年に渋沢学の性格を論じる国際シンポジウムを開催し、その意義・有効性を世界に発信する。
- 事業概要
- 渋沢敬三の資料学における写真・映像の意味づけを検証する。映像資料に関する関心の来歴を時代性、技術方面、作品から検討する。また、渋沢学のこれから、可能性に視座を置いた国際シンポジウムを開催し、渋沢敬三の学術における位置付けを行う。残された貴重な映像・16ミリフィルム4本(韓国多島海I. II、花祭り、飛島のデジタル化を行う。加えて、山形県酒田市飛島において、撮影当時と現況の比較を、現地の人々の協力のもとに行う。
- イベント
- 第17回常民文化研究講座「渋沢敬三の民具研究」
第5回国際常民文化研究機構 国際シンポジウム「渋沢敬三の資料学 - 日常史の構築 -」
第5回国際シンポジウム「渋沢敬三の資料学-日常史の構築-」 終了報告
国際常民文化研究機構 共同研究グループ 成果発表会(公開)「ビジュアル資料と渋沢敬三 - アチックフィルム・写真からの展望 -」
日本民具学会会誌『民具研究』第150号(2014.11)
8.
実業家・財界人としての渋沢敬三の研究
- 事業主体
- 武田晴人
- URL
- http://www.takeda.e.u-tokyo.ac.jp/htakedaindex.htm
- 担当者
- 武田晴人
- 事業目的
- 渋沢敬三の経済人としての足跡、すなわち、第一銀行役員、日本銀行総裁、戦後の大蔵大臣、金融制度調査会長などについては、語られることが少なかった。本研究では、このような側面での渋沢敬三の活動について、具体的な資料の収集に基づいて明らかにしていくことを目的とする。
- 事業概要
- 日本銀行アーカイブや国立公文書館などの収蔵資料から、渋沢敬三関連資料を収集し、具体的な活動実態を追跡し、それらの史料を基礎に、経済人としての渋沢敬三の人物像をとりまとめる。 そのために、第一銀行時代、日本銀行時代、大蔵大臣時代、金融制度調査会時代というそれぞれの時期に渋沢敬三に与えられた使命とこれへの取組について、経済史的な背景を含めて検討する。 成果の公表は、2012年9月にシンポジウム(「戦時戦後史の立会人 渋沢敬三」於渋沢史料館)を開催し、専門研究者を交えた意見の交換を行うとともに、2013年には何らかのかたちでの報告書としてまとめる。
- イベント
- 渋沢敬三記念事業シンポジウム「戦時戦後史の立会人 渋沢敬三」
- 成果物
- 由井常彦、武田晴人編『歴史の立会人 : 昭和史の中の渋沢敬三』(日本経済評論社, 2015.01)
9.
渋沢敬三及びアチック関係映像資料のデータベース化とその活用、公開
- 事業主体
- 財団法人 宮本記念財団
- URL
- http://www.miyamoto-kinen.org/
- 担当者
- 宮本瑞夫
- 事業目的
- 渋沢敬三はじめ宮本馨太郎などアチック関係者の映像資料は、1930~40年代のものが中心で、既にフィルムの劣化が著しく、このまま放置することが出来ない状態にある。そこで最新の技術でフィルムのクリーニング、修復・保存措置を施し、デジタル化、データベース化し、今後の活用、公開につなげたい。
- 事業概要
- 映像資料の所在調査、目録作成、フィルム調査(状態チェック)を行い、その後にデジタル化など保存措置を施す。最終年度には、その成果として映像の公開と、これに関連する講演会、シンポジウムを実施したいと考えている。
- イベント
- 歴博映像祭 「映像民俗学の先駆者たち:渋沢敬三と宮本馨太郎」
10.
渋沢敬三研究
- 事業主体
- 由井常彦
- 担当者
- 由井常彦
- 事業目的
- 渋沢敬三の生涯とその周辺について史料や関係者への聞き取りをもとに調査を行い、その人物像にせまる。
- 事業概要
- 上記の目的にそくして史料収集、ヒアリングの実施(経済界を中心に個人約15名に対し、のべ20回程度)、データの作成、論文の作成などを行い、論考とヒアリングの記録は報告書の形にまとめて出版する。
- イベント
- 講演「渋沢敬三の人物と思想 ― 学生時代と思想形成」(シンポジウム「戦時戦後史の立会人 渋沢敬三」)
- 成果物
- 由井常彦、武田晴人編『歴史の立会人 : 昭和史の中の渋沢敬三』(日本経済評論社, 2015.01)
ロゴマークについて
渋沢敬三記念事業実行委員会では、2013年6月に2種類のロゴマークを作成いたしました。デザインにあたっては、渋沢敬三伝記編纂刊行会編『渋沢敬三』(渋沢敬三伝記編纂刊行会, 1979-1981)の背表紙に掲載されている敬三自筆の署名を使用しました。
渋沢敬三記念事業の関連事業では、成果物やウェブサイト、広報用資料等にこれらのロゴマークを掲載しております。