【新刊紹介】 由井常彦、武田晴人編『歴史の立会人 : 昭和史の中の渋沢敬三』刊行
掲載:2015年02月13日
日本経済評論社より、由井常彦、武田晴人編『歴史の立会人 : 昭和史の中の渋沢敬三』が刊行されました。
歴史の立会人 : 昭和史の中の渋沢敬三 / 由井常彦、武田晴人編
〔日本経済評論社〕
http://www.nikkeihyo.co.jp/books/view/2367
この書籍は、渋沢敬三記念事業における研究プロジェクトの成果物で、「これまで言及されることが少なかった渋沢敬三の経済人としての活動」を明らかにしようとするものです。由井常彦氏、武田晴人氏、木村昌人氏による経済人としての敬三に関する論考、敬三の人間形成に重要な役割を果たした前半生について、2012年9月15日に渋沢史料館会議室で開催された渋沢敬三記念事業シンポジウム「戦時戦後史の立会人 渋沢敬三」の記録などが掲載されています。
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書誌事項
歴史の立会人 : 昭和史の中の渋沢敬三 / 由井常彦、武田晴人編
東京 : 日本経済評論社, 2015.01
xiii, 360p ; 20cm
ISBN: 9784818823679
目次
渋沢敬三の肖像 [小絲源太郎画] …… 巻頭
序文 / 渋沢雅英 …… i
目次 …… v
第一部 経済人渋沢敬三 …… [1]
第1章 渋沢敬三の学問、思想と人格形成 : 前半生を中心として / 由井常彦 …… 3
はしがき …… 3
一 学生時代の渋沢敬三 …… 5
1 「生物少年」の時期 …… 5
2 仙台二高時代と「眞・善・美」の理想、そして自然 …… 8
3 東大経済学部と実証主義の研究 …… 13
二 銀行家時代の渋沢敬三 …… 18
1 横浜正金銀行ロンドン支店と「美」への憧憬 …… 18
2 第一銀行勤務と漁業史研究の開眼 …… 23
3 第一銀行常務とアチックミューゼアム …… 27
三 後半生の渋沢敬三の人物 …… 34
1 祖父渋沢栄一との類似と相違 …… 34
2 老子的タイプとしての敬三 …… 37
3 眞なるもの美なるもの(実証)の追求 …… 38
おわりに …… 39
第2章 銀行家渋沢敬三 / 武田晴人 …… 43
はじめに …… 43
一 横浜正金銀行時代 …… 45
1 一九二〇年代前半のロンドン …… 45
2 ロンドン通信 …… 48
二 第一銀行時代 …… 51
1 入行事情 …… 51
2 激動の昭和前期 …… 53
3 金融恐慌 …… 56
4 本店建築と大部屋制度 …… 60
5 調査・審査の充実 …… 61
おわりに …… 66
第3章 経済人としての渋沢敬三 / 武田晴人 …… 71
はじめに …… 71
一 日本銀行時代 …… 72
1 副総裁就任 …… 72
2 金融統制の推進者としての渋沢副総裁 …… 78
3 三井銀行と第一銀行の合併 …… 82
4 総裁就任事情 : 一九四四年三月一八日 …… 84
5 インフレをどう回避するのか …… 87
6 臨時軍事費の支払 …… 94
7 日本銀行の気風 …… 95
二 大蔵大臣として …… 97
1 大蔵大臣就任 : 一九四六年一〇月九日 …… 97
2 軍需補償打ち切り問題と大内兵衛教授の「蛮勇論」 …… 100
3 戦後財政五カ年計画と財産税構想 …… 101
4 財閥解体措置 …… 113
三 金融制度調査会会長として …… 116
1 日本銀行法改正問題の背景 …… 117
2 金融制度調査会の発足 …… 119
3 答申作成のための調整 …… 123
おわりに : 「歴史の立会人」渋沢敬三 …… 131
資料1 昭和一九年四月部局長支店長事務打合会席上 渋沢総裁御挨拶要旨 …… 133
資料2 渋沢大蔵大臣挨拶(昭和二〇年一〇月三〇日) …… 139
第4章 渋沢敬三にとっての一九五〇年代 / 木村昌人 …… 153
はじめに …… 153
一 渋沢敬三の経歴 …… 156
1 渋沢栄一の嫡孫かつ後継者 …… 156
2 財政金融家 …… 159
3 民俗学者 …… 161
4 公職追放 …… 164
二 渋沢敬三にとっての一九五〇年代 …… 165
1 財界活動の再開 : ICC(国際商業会議所)日本国内委員会議長 …… 165
2 KDD(国際電信電話株式会社)社長 …… 171
3 金融制度調査会会長 …… 173
4 移動大使として中南米訪問 …… 173
5 親和会 …… 174
三 渋沢敬三の果たした役割 …… 175
1 公職追放者の復帰 …… 176
2 国際社会への復帰 …… 180
おわりに …… 183
第二部 渋沢敬三、その前半生の研究 …… [187]
第5章 渋沢敬三と土屋喬雄の学生時代 : 人格主義の教養と実証主義の学問 / 由井常彦 …… 189
はじめに …… 189
一 「生物少年」の渋沢敬三と「勉強一途」の土屋喬雄 …… 190
二 第二高校時代の教育と人格主義 …… 197
1 仙台の二高と二人の入学 …… 197
2 渋沢敬三と土屋喬雄、そして経済学 …… 200
3 渋沢敬三の「物のあはれ」と真善美 …… 203
三 東大経済学部と社会主義 …… 206
四 卒業論文・工業発展段階論と銀行発展史論 …… 212
五 敬三のロンドン留学と土屋の「封建社会の崩壊過程の研究」 …… 220
六 土屋の外遊と経済史方法論争 …… 228
七 敬三の漁業史研究の開眼 …… 232
結びにかえて …… 234
第6章 渋沢敬三とロンドン時代 / 由井常彦 …… 241
はじめに …… 241
一 パリで西洋の文化遺産に感激 : 一九二二年一〇~一二月 …… 243
1 ゆたかなフランスの農村風景 …… 243
2 リヨンの街と美術館 …… 244
3 パリ、ルーブルで世界の至宝に感激 …… 246
二 ロンドンと正金銀行支店 : 一九二二年一二月~二三年五月 …… 248
1 ロンドン、道路の混雑と霧 …… 248
2 音楽、クライスラーに感銘 …… 249
3 横浜正金銀行ロンドン支店勤務 …… 250
三 イギリス経済と経済学、社会主義 …… 252
1 イギリスの経済と功利主義 …… 252
2 祖父栄一とワナメーカーについて …… 255
四 ヨーロッパ各地旅行とマルクス主義 …… 258
1 第一次世界大戦の戦跡の訪問とランス寺院 …… 258
2 オランダの美術館歴訪 …… 260
3 ベルンシュタインとマルクス主義者たち …… 261
4 社会主義と共産主義の将来 …… 263
五 イタリア紀行、ローマと周辺 : 一九二三年一〇月~一九二四年一月 …… 265
1 ローマ・バチカンへ …… 265
2 ギリシャの名作の数々 …… 267
3 バチカンと奈良との比較 …… 269
4 ローマ周辺(セント・クレメンスとセント・カタコム) …… 271
六 イタリア紀行(続)、フィレンツェとミラノ …… 272
1 “美術の都”フィレンツェ(ウフィチとピティ) …… 272
2 ドゥオモ、サンタ・クローツェ教会とアカデミア …… 274
3 ミケランジェロとメディチ家、フィレンツェと京都 …… 274
4 ミラノ:ダ・ヴィンチとトスカニーニの「アイーダ」 …… 275
七 後半期のロンドン生活 : 一九二四年一月~一九二五年七月 …… 276
1 生活の変化:マニアから読書人へ …… 277
2 同僚の仲間たちと勉強会 …… 280
3 イギリス人の知己 …… 282
4 父篤二をめぐる渋沢家のトラブル …… 284
八 長男の誕生から帰国 …… 288
1 雅英の誕生:未解決のトラブル …… 288
2 アメリカ経由の帰国 …… 290
あとがき …… 292
第二部付論 晩年の渋沢栄一と渋沢敬三 : 橘川武郎編『渋沢栄一と合本主義』によせて / 由井常彦 …… 299
第三部 シンポジウム記録「歴史の立会人渋沢敬三」 …… [309]
シンポジウム記録 …… 311
テーマ:「戦時戦後史の立会人 渋沢敬三」 …… 311
報告 経済人としての渋沢敬三 / 武田晴人 …… 313
はじめに …… 313
1 日本銀行時代 …… 314
2 大蔵大臣時代 …… 317
3 金融制度調査会会長時代 …… 318
おわりに : 「歴史の立会人」渋沢敬三 …… 320
コメント「戦時インフレ・戦後インフレと渋沢敬三」 / 伊藤正直 …… 322
コメント「渋沢財政の評価 : 財政史の視点から」 / 浅井良夫 …… 332
1 幣原内閣渋沢蔵相の時代=占領政策が本格的に始まった時期 …… 332
2 「悪性インフレ」と戦時期の政府債務の処理 …… 334
3 渋沢蔵相はいかなる役割を果たしたのか? …… 337
討論 …… 349
あとがき / 武田晴人 …… 359
リンク
渋沢敬三記念事業シンポジウム「戦時戦後史の立会人 渋沢敬三」
〔渋沢敬三アーカイブ - 2012年9月3日〕
http://shibusawakeizo.jp/event/event01.html