【新刊紹介】平井雄一郎、高田知和編『記憶と記録のなかの渋沢栄一』(法政大学出版局, 2014.08)に渋沢敬三関連論文掲載
掲載:2014年12月24日
2014年8月、法政大学出版局より平井雄一郎、高田知和編『記憶と記録のなかの渋沢栄一』が刊行されました。
記憶と記録のなかの渋沢栄一
〔法政大学出版局〕
http://www.h-up.com/books/isbn978-4-588-32705-6.html
本書は、「『渋沢栄一』という日本近代史上の人物について(私たちにあたりまえのように知られている)『イメージ』の作り方・作られ方の軌跡を過去、現在、そして未来にわたって展望すること」(同書「あとがき」p.332より)を目指す内容となっています。
全体は3部より成り、その第I部冒頭には、鶴見太郎氏による「渋沢敬三による渋沢栄一の顕彰 : 方法的な側面から」が掲載されています。これは敬三の資料収集・編纂に対するスタンスを明らかにし、『渋沢栄一伝記資料』編纂における役割を解き明かそうとするもので、2013年1月12日に渋沢史料館で開催されたシンポジウム「‹記憶›と‹記録›のなかの渋沢栄一 : 伝記・評伝・郷里の視点から」(渋沢研究会第186回例会として開催)での報告に関連するものです。
また、同じく第I部の佐藤健二氏による「近代日本における『実業』の位相 : 渋沢栄一を中心に」では、「四 おわりに : 研究援助の思想と実践としての渋沢敬三への継承」として「渋沢栄一の実業をめぐる理想が、じつは孫で民俗学者でもある渋沢敬三にも精神として継承されている」(p.67)と述べられています。
その他に、第III部「渋沢栄一をめぐるアーカイブズの過去、現在、未来」には『渋沢栄一伝記資料』に関する論文2編、および日本実業史博物館構想に関わる論文1編が収録されています。
主な渋沢敬三関連論文:
第I部
・ 渋沢敬三による渋沢栄一の顕彰 : 方法的な側面から / 鶴見太郎 …………………………… p.19-45
・ 近代日本における「実業」の位相 : 渋沢栄一を中心に / 佐藤健二 ………………………… p.47-73
第III部
・ ブリコルールへの贈り物ができるまで : 『渋沢栄一伝記資料』生成の背景 / 山田仁美 … p.245-273
・ 『渋沢栄一伝記資料』を紙から解き放つ / 小出いずみ ……………………………………… p.275-303
・ 渋沢史料館というテクノロジー / 井上潤 ……………………………………………………… p.305-321
リンク
第186回渋沢研究会|渋沢研究会例会
〔渋沢史料館|公益財団法人渋沢栄一記念財団〕
http://www.shibusawa.or.jp/museum/workshop/regular-meeting/post2013_01_12_15010.html