神奈川大学 日本常民文化研究所
第17回常民文化研究講座「渋沢敬三の民具研究」
第17回常民文化研究講座「渋沢敬三の民具研究」
掲載:2014年01月25日
ご挨拶 / 渋沢雅英
ご紹介頂きました渋沢でございます。今日はこのように大切なセミナーにお招きを頂き、誠に有り難うございました。
思えば今から34年前、1979(昭和54)年12月、有賀喜左衛門先生がお亡くなりになりました。先生は当時日本女子大の学長をお務めになる傍ら、渋沢敬三が遺してゆきました日本常民文化研究所の理事長もお願いしておりました。
創立者の敬三の死後、研究所は近所のマンションの一室を借りて仕事を続けておりましたが、組織的には勿論、経済的にも基盤が弱体で、ご生前の有賀先生とも、今後どうしたらよいか、よりよりご相談をしていた最中の事でありました。
先生のご葬儀は目白の日本女子大学構内にあります成瀬記念講堂で、しめやかに、しかし盛大に行われました。12月の事で、告別式が終わった頃にはキャンパスには夕暮れが忍び寄っておりましたが、そのなかで、まるで有賀先生の魂のお導きであるかのように、神奈川大学の丹羽先生並びに山口徹先生が私に声をかけられ、日本常民文化研究所を神奈川大学に移管する事は出来ないかというお話しがありました。
まったく突然の事ではありましたが、途方に暮れていた私にとっては、天から手を差し伸べられたかのように、またとない有り難いお話しで、早速前向きにご相談を進めることとなりました。1981(昭和56)年には神奈川大学との間で組織の委譲に関する覚書の調印が行われ、研究所の方は財団法人の解散を認められ、残っていた資産の整理もおわり、1982(昭和57)年4月には山口先生を初代所長として神奈川大学日本常民文化研究所が正式に発足し、最後まで研究所に残られた河岡武春先生も神奈川大学に移られる事となりました。
渋沢敬三は先月25日に没後50年を迎えましたが、若い頃から心を尽くしてもり立ててきた研究所が、こうした形で神奈川大学に受け入れられ、大きく発展しております事に対し、これほど有り難い事はなく、有賀先生に対しては勿論、その後研究所の運営を続けてくださいました諸先生方に、心からの感謝を申し上げている事と存じます。
数年前に敬三の五十年忌を記念するための事業の準備委員会が結成されまして以来、佐野賢治先生には始めからご参加を頂き、貴重なご支援を頂戴しました。心からお礼を申し上げるとともに、研究所の今後いっそうのご発展をお祈りして、ご挨拶に代えたいと思います。有り難うございました。
2013年11月9日
(公益財団法人渋沢栄一記念財団理事長、一般財団法人MRAハウス理事)
リンク
第17回常民文化研究講座を開催いたします。
〔神奈川大学 日本常民文化研究所 - 2013年10月3日〕
http://jominken.kanagawa-u.ac.jp/cgi-bin/system/topics/index.cgi?c=zoom&pk=1379995736